部品メーカーの1日の仕事ってどんなスケジュールなんだろう?
営業でも、商社、インフラ系、建築など多様な仕事内容があると思います。
筆者は東証一部上場の部品メーカー、転職し財閥系の部品メーカーの営業を約9年やってきました。
プロフィール
メーカー営業歴9年
新卒で一部上場産業部品メーカー入社
財閥系部品メーカーへ転職
平日は20代の後輩と働いている
この記事は転職・就職活動中で部品メーカーを志望する人に向けています。
部品メーカー営業の1日の仕事内容を事細かに書いています。
そして、入社後、営業として働く姿をリアルにイメージ出来るようできる限り細かくしてます。
ぜひ活動に役立てみてください。
まずは、部品メーカーについて簡単に見てみましょう。
部品メーカーの仕事内容
細かな仕事内容を見ていく前に、部品メーカーとは何か?
完成品メーカーとの違い。2つの営業のスタイルがある事を知っておきましょう。
部品メーカーと製品メーカーについて
まずは下の図で部品メーカーと、完成品メーカーの違いを理解しておきましょう。
ブレーキ部品は自動車メーカーへ販売される
自動車メーカーで完成車に組み立てられユーザーへ販売される。
部品メーカーと完成品メーカーの違いをざっくりと理解いただけましたでしょうか。
非常に分かりやすい話だと思います。
・完成品とはそれを使うユーザーの手元にわたる状態
・部品とは完成品を構成するモノ
続いて、部品メーカー営業の仕事を理解するために重要な点を解説します。
ルート営業と新規営業の違いについて
部品メーカー営業には次の2つのスタイルが存在します。
ルート営業と新規営業です。
ルート営業・・・既存顧客に向けた日々の営業活動。
新規営業・・・従来取引の無い新規顧客に向けた営業活動。
私達部品メーカー営業の仕事はBtoB(法人営業)です。
部品メーカーであれば完成品メーカーへ。もしくは商社へ販売し、商社経由で完成品メーカーへ販売されるケースもある。
そして、完成品メーカーはエンドユーザーへ販売するか、販売代理店へ卸す。
商流は様々だが、BtoC(対消費者営業)とは異なり企業に向け販売する営業である。
ルート営業がわかりにくいので少し掘り下げる。
ルート営業とは・・・
ルート営業における既存顧客とは自社の部品を採用し、継続的に使っている顧客。一般的に、部品はメーカーに採用されれば、問題が無い限り他社切替えされることは無い。
つまり、一度採用されるとそのお客さんとは長期間の付き合いを継続する。
新規営業は言葉の通り、従来取引の無い新しい顧客に対する営業活動。
部品メーカーは既存顧客への営業活動比重が大きい企業がほとんど。
筆者の日常の仕事もこのルート営業がメインの活動となっている。
メーカー営業はほとんどがルート営業なのか。
それでは次に、1日のスケジュールから部品メーカー営業の仕事を見ていきましょう。
部品メーカー営業の1日の仕事内容を公開
筆者の1日の仕事内容をまずはタイムスケジュールから見ていきましょう。
営業の1日のタイムスケジュール
このモデルケースは事務所に出社し客先を2社訪問し、事務所へ戻り退社した1日
業務内容を1つずつみていく
次に業務内容を1ずつ解剖していきましょう。
下に仕事内容を箇条書きにしてみましたのでご覧ください。
- メールチェック
- 見積作成
- 電話対応
- 商談
- 週報の作成
- クレーム対応
- 受注数字の追い込み
メールチェックから順を追って、具体的にどのような内容なのか見てみます。
メールチェック
モデルにしたこの日の1日のメールの受信件数は35通ほど。
(※自分に関係があるメールを抜粋)
お世話になります。
添付の製品の見積を作成お願いします。
期日は来週の・・・
〇〇の件、納入先住所が変更になりました。
つきましては、下記の・・・
- 見積作成依頼
- 納入先の住所変更
- 納期変更
- 発注依頼
- 技術的な質問
- 資料・カタログ送付の依頼
- 不具合連絡
上記のような依頼事項が多いです。
簡単な依頼は営業事務(アシスタント)へお願いします。
工場へ確認必要なものもあります。
工場へ確認が必要な依頼は時間がかかる場合があります。
ですので、すぐに転送・電話連絡でお願いするなど、外出中でもさばいていきます。
メールチェック・・・依頼メールを確認し次のアクションに向け仕分けする業務。
つづきまして、見積作成を見ていきましょう。
見積作成
全体の業務量の中でも見積作成が占める時間が多い。
- 依頼メール、資料の読み取り
- 見積作成するか、アシスタントへ依頼
- 特殊なオプションが付く場合は工場技術へ依頼
- 作成した見積を上司のチェック・押印
- 用意していた参考図と一緒に客先へ提出
だいたいの場合が見積を見積書をして作成。上司の承認をもらい、ハンコを押してもらう。
そして、会社のハンコを押してお客さんへ回答する。という流れだと思います。
見積作成・・・客先から依頼を受けた見積を作成業務。
見積作成はかなりのウェイトを占める業務です。
納期管理
モノを納めるまでがメーカ営業の仕事
受注した部品の製作進捗が遅れていたり、または早すぎたりしないように、問題なく納品できるように管理します。
客先から依頼を受け、工場の生産管理部門へ事情を説明し納期調整を依頼します。
また必要に応じて客先の希望納期を断る必要もあります。
つまり、客先と工場の間に入り納期を調整する仕事です。
納期遅れの客先トラブルは多い。
納期管理・・・客先希望納期でモノを納められるよう調整する業務。
電話対応
この日のスマホへの着信件数は25件ほど。
時間当たり3件ほどと多かったです。
提案してもらっている製品の仕様を○○みたいに変えられないかな
この部品の値段、いますぐわかる?
手配済みのAとBの物件の納期を変えて欲しい!
- 技術的な質問
- 見積作成依頼
- 納入先の住所変更
- 納期変更
- 資料・カタログ送付の依頼
- 不具合連絡
実際にはメール問い合わせの内容と変わりありません。
ただし、いきなり発注を依頼するものなどは無い。
コンプライアンスでお客さんからの口頭発注は受注が禁止となっている場合がほとんだと思います。
外出中はほぼPCを見れないので、技術的な問い合わせや、納期の進捗など応えられない質問もあります。
必要に応じて即座にアシスタントへ確認するなどしてさばいていきます。
電話対応・・・お客さんからの電話へ対応する業務。
商談① 大口案件の見積回答、案件の状況を確認
大口案件の見積提案の為訪問打合せ実施
この日は大口案件の見積を客先へ提出し、見積書の内容を説明してきました。
お客さんの使っている機械装置に自社の部品が使われている。
長年使ってもらっており、自社の部品が交換時期を迎えている。
客先の社内で予算を確保できるか否かが、発注有無に左右する。
具体的な発注時期を聞いたり、どの程度の金額であれば予算が取れるかヒヤリングを実施する。
商談② 技術員同行の上客先との打合せ実施
新規開発商品のスペックインのための技術仕様確認打合せ
こちらは産業用部品の機械装置メーカーとの打合せ。
お客さんで新商品の開発を進めている。自社部品を検討してもらっている状況。
お客さんから見積に必要になるスペックをヒヤリング。
後日見積を提出することとなりました。
営業だけでお客さんのエンジニアに説明するのが難しいこともある。その場合は自社の技術担当を連れて打ち合わせを実施することもあります。
必要に応じ工場からエンジニアを連れ出すというのも営業の仕事です。
お客さんのレベル・打ち合わせ難易度に合わせて必要に応じてエンジニアに入ってもらうってことか!
お客さんの方が、メーカー営業よりも詳しい場合もあります。
週報の作成
世の多くの営業がやっているルーティン
- 客先打合わせの内容・進捗報告
- 大口案件は社内にシェア
- 不具合事例は周知するため報告
日々やっている仕事を日記のように上司に報告するのではない。
筆者の社内でもとりあえず、あった出来事を書いている日記状態の人もいる。
しかし、下記のようなツールとわたしは考えてます。
週報の記載内容の例
・放っておいたら炎上しかねないやばい案件をグループで共有する
・他の営業マンにとっても有益な情報を水平展開する
週報も社内の他の人に対しての「情報発信」です。
日々の業務に役立つ「有益な」内容をあげていかないと意味ないです。
クレームの対処
納期のトラブル、納入品の納入不良クレームなど。
理由はさまざまありますが、メーカー営業と不具合事例は切っても切り離せないもの。
トラブルが発生すると、その1日の仕事内容がガラッと変わります。客先からの電話は鳴りやまない。
こちらも工場の生産管理・品質管理部門を追いかける。
また客先へ連絡して…というやり取りが終日続きます。
クレームの対処・・・メーカーやっている以上どうしても起こってしまう業務。
月末の受注数字の追い込み
月内に発注書を切ってくれるお客さんを追いかける
予算(ノルマ)に届いていない。
月末ギリギリまで注文書を出してくれそうな客先を追いかけて電話連絡しまくる。
「今月ご発注いただけるような案件はありませんでしょうか・・・?」
ありがたく発注をいただければ、受注処理なども急いで進めなければいけません。
基本的に世の営業が月末忙しいのはこういう理由からです。
月末の数字追い込み・・・月というのは一区切りの期間。どうしても今月の達成を目指し月末は忙しくなる。
まとめ|部品メーカー営業の1日の仕事内容
ご自身の働く姿がイメージできましたでしょうか?
もちろん上に書いた内容が全てというわけでは無いです。
できれば、実際に志望する会社で働く営業と接する機会をもらいましょう。
それでもわからんことは多いですが、会わないよりはましです。
この記事では営業職で働く方々に役立つ情報を発信しています。
もしよければ他の記事も見て頂けたら喜びます。
読んで頂きありがとうございました。
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